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「レジリエンス」・「ワークエンゲイジメント」とメンタルヘルス (2月: 坂寄和弘 相談員)

 先日、小林幸子さんの紅白歌合戦の復活への舞台裏?という内容のテレビ番組を見ました。小林幸子さんと言えばあのド派手な衣装で有名ですが、ここ数年は事務所を巡るトラブルで仕事を干されてしまい、紅白は不選出、テレビなどの仕事も激減してしまい、地味に地方巡業などを行う日々だったとのことです。
 そんな小林さんを救ったのは、いわゆるネット住人、若年層のオタクの人たちでした。小林さんのあのド派手な衣装姿が、ゲームの「最後に登場する最強の敵キャラ」=「ラストのボス」に似ているということで、彼らからは「ラスボス」と呼ばれ、小林さんはネットの中では一定の知名度と人気を得ていたそうです。
 その事に動画配信サイトを運営する会社が目をつけ、小林さん自身も動画を配信したり、動画イベントに参加するなどして、ネット文化、オタクの世界を一緒に楽しむようになっていきました。そんな小林さんの人気はネットの世界で更に急上昇、ついに昨年、紅白への復帰を果たしたというものでした。
 捨てる神あれば、拾う神あり。人生は山あり谷あり。どんな環境、どんな境遇に置かれても決してくじけなかった小林さんは、相当な負けず嫌いで、マイナスの感情をプラスのエネルギ―に変えていく芯の強さを持っている方なのでしょう。いわゆる「レジリエンス」ですかね。もちろん、支持してくれたネットの人たちの力も大きかったと思います。
 今回、急きょ紅白出演が決まった小林さんの衣装作りのため、スタッフは深夜まで作業に取り組んでいたようです(過重労働?)。しかし、スタッフはやりがいと楽しさであふれていたのでしょうから、これは過重労働ではなくて、「ワークエンゲイジメント」なのでしょう。
 「レジリエンス」とは、「精神的回復力」「復元力」など、脆弱性とは反対の概念です。「ワークエンゲイジメント」とは、仕事に対して「熱意」「没頭」「活力」が揃って充実している状態を指します。どちらも今後のメンタルヘルス対策として注目されている概念ですが、これらは個人の性格や特性だけでなく、仕事内容、周囲のサポート資源、上司のリーダーシップなど、働きやすい職場環境との関連性が指摘されています。
 メンタル問題が発生しにくいような、「レジリエンス」や「ワークエンゲイジメント」を持つ元気な社員、元気な企業が増える事を願います。

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