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産業保健活動活性化の経済的効用に関する調査研究(1)

調査研究期間:平成6年11月1日~平成7年3月31日

調査研究体制
野見山一生: 栃木産業保健推進センター所長
斎藤 平三: 栃木産業保健推進センター副所長
野見山紘子: 自治医科大学衛生学教室講師
國井  修: 自治医科大学衛生学教室助手
高橋 博樹: 自治医科大学衛生学教室研究生

調査研究結果の概要

栃木県下の995事業場のうち、この数年間に産業保健活動活性化の有無が明確になっている344ヶ所の事業場について、平成元年から平成4年までの3年間の新規労働災害発生件数、療養件数と療養費用、休業件数と休業補償費の増減を、産業保健活動の活性化の有無と関係づけて解析した。

産業保健活動が活性化すると、労働者数が1~49人の小規模事業場においては、新規発生件数、療養件数、休業件数、療養と休業の合計件数の減少との間に相関関係が認められ、また、その経済的効用を推算すると、療養費・休業補償費、両者の和も、それぞれ49,505、15,745、65,234円/名/年減少すると見積もられた。

これを日本国内の1~49名の事業場の労働者数に換算したところ、療養費、休業補償費、療養と休業補償費の和は、産業保健活動が活性化すると、多少過大ではあるが年間それぞれ3,105、98、3,203億円が節約されると推算された。

今回の調査においては労働者数50人以上の事業場では、労働災害の減少と産業保健活動活性化との間には相関関係は認められなかったが、これは観察期間が3年と短かく、また、労働安全衛生法に基づき選任の義務づけされた産業医、安全管理者、衛生管理者等の安全衛生スタッフにより、最低限の安全衛生活動が既に行われていたためと考えられた。

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