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「ストレスチェック制度の施行にあたって」 (11月: 中野隆史 相談員)

 ストレスチェック制度の施行が間近に迫り、各事業場はその対応に追われています。
 ストレスチェック制度の目的は、うつ病などのメンタルヘルス不調者を早期に発見する2次予防ではなく、高ストレス者を発見して、医師の面接指導とこれに基づく事後措置などによってメンタルヘルス不調を予防する1次予防にあります。
 この制度では個々の労働者のストレ状態のチェックだけでなく、集団ごとの集計・分析によって、職場におけるストレス要因を把握し、職場のストレス状況の改善を図ることで労働者のメンタルヘルス不調を予防することが重要です。
 ストレスチェックによって職場のストレス状況を分析することはできても、これを職場環境の改善に結びつけるには今後のノウハウの蓄積が必要です。
 ある調査によると事業場でのメンタルヘルス不調を抱えた労働者の把握の方法としては、上司または同僚の情報が最も多く(63.7%)、定期健診時の問診票(26.2%)、医師による面接指導(7.1%)、相談窓口の設置(18.2%)、休業者に対する調査(16.6%)、医療機関での相談・受診(11.5%)などがありました。
 この制度ができる前から労働者のストレス状況を調査してきた事業場は全体の25.8%ありました(平成24年度)。すでにストレスチェックを定期健診時などに毎年行ってきた先進的な事業場では、今回のストレスチェック制度を職場の健康管理体制の中で有効に活用できそうです。
 一方、労働者のメンタルヘルスの保持・増進に十分に取り組んでこなかった事業場では、ストレスチェック制度の実施をきっかけとして労働者のメンタルヘルスの向上に取り組むことが求められます。
  この制度が有効に機能するためには、労働者がストレスチェックの質問に正直に答えることが前提です。ストレス状態を高く見せたい、あるいは高く見せたくないという意図をもって労働者が虚偽の回答をすれば、ストレスチェック制度は機能せず、混乱を招きます。
 今回、マニュアルで推奨されている調査票(職業性ストレス簡易調査票)では被検者が正直に答えたどうかをチェックする項目がありません。自己評価式(自記式)の心理検査の中には「虚偽スケール」といって、質問に正直に答えているかどうかをチェックする項目を含んだものもあります。今後、こうした点についても検討が必要と思われます。

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