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「安全と安心」   ( 3月: 秋葉一好 相談員 )

「安全」と「安心」という言葉は同じような意味で使われることが多々ありますが、本来は別のものと考えるべきです。つまり、安全は評価することができますが、安心は評価することができません。もちろん、安全を完璧に評価することができるかというとはなはだ疑問が残ります。安全の反対の言葉は「危険」であり、安心の反対の言葉は「不安」です。例えば、「高い所では落下の危険がある」と言えば、誰もがその通りと思い客観的に評価できます。しかし、高いところが嫌いな人にとっては、安全帯などの保護具を使用しても心理的要因により不安は残り、個人差が出てしまいます。つまり、評価ができないものとなってしまいます。
 安全、危険、安心、不安は以下の4つに分かれます。
   1安全で安心        2安全だけど不安
   3危険だけど安心    4危険で不安
  作業をする場合、1が最も良い状態ですが、実際は、安全が確保されていても不安を感じる2が多いようです。
 もちろん、4の領域は、労働災害が起きるであろうことは予想され、労働安全衛生法違反ともなりかねません。
 3の領域は、保護具等の使用により作業が行われています。
 平成26年の労働安全衛生法改正により、化学物質管理として「有害性又は危険性の調査(リスクアセスメント)」が近々義務化されます。
 このリスクアセスメントにより、安全でないか又は安全性が確実に担保できない物について、リスクアセスメントの評価結果により本質安全対策、工学的対策、管理的対策並びに保護具使用による対策のリスク低減対策を講じ、健康障害を防止することとなります。
 4は法令遵守により至急対策が必要です。2はその安全性を担保し、不安を取り除を取り除いた上で作業を行います。3は危険源を取り除くか、十分なる対策を講じた上で作業を行います。
 今後、先取り方の労働災害防止対策を実施するには、リスクアセスメントは不可欠なツールとなります。ぜひ活用してください。

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