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「コーヒーを楽しむ」 ( 2月: 森島 真 相談員 )

  30年前、勤務先の大学病院内に、コーヒーの木が置かれていた。あまり日が当らない場所にあったせいか、数える程しか実がついていなかった。コーヒーが好きだったので、赤くなったところで2、3個失敬して、フライパンで煎ってみたが、1杯のコーヒーを飲むには全然足りなかった。その後、ホームセンターなどでコーヒーの木を買い求め、何度か栽培を試みたが、実をつける前に枯らしてしまうばかりで、自家製コーヒーを味わうことはできなかった。ただ、観賞用の植木としては重宝したと思う。
 今でも毎日、数杯のコーヒーを飲んでいる。半年前、コーヒーメーカーが古くなったので、ミル付きのものに買い替えた。それまでは、ある外資系チェーン店で、コーヒー豆を挽いてもらっていたのだが、今度は家で豆を挽いて飲めるようになった。挽きたてを飲むと、香りが明らかに違う。長年、コーヒーミルを買わなかったことが悔やまれた。
 それから間もなく、生豆を焙煎して売ってくれるお店を発見した。試しにトラジャとモカを買ってみたところ、あまりの風味の違いに驚いてしまった。改めて、今まで買っていたチェーン店の豆を見てみると、豆の大きさがばらばらで、小さい豆や割れた豆が焦げてしまっていた。中煎りと深煎りのブレンドと思えばいいのかもしれないが、豆本来の風味がわからずに飲んでいた自分が恥ずかしかった。
 とはいえ、口に入るときにはほとんど影響がなかったのだ。なぜなら、私にはコーヒーをストレートで飲む習慣はなく、いつも、2割ほど牛乳を入れて飲むからだ。煎り過ぎたコーヒーも、牛乳で割ると意外とおいしく感じる。コーヒーの楽しみ方は、人それぞれだと思う。

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